【実録】一人目インサイドセールスが、最初の3ヶ月でやったこと全て #Tacto 2nd note

この記事の著者

木村つかさ

経歴:株式会社マネーフォワードでSDR業務に3年間従事後、グループ会社のHiTTO株式会社で一人目インサイドセールスに奮闘中です。

note / Twitter

目次

自己紹介

はじめまして、木村つかさと申します。

#Tacto  のブログリレーの第2回目の記事として執筆させていただきます!

インサイドセールスという言葉が生まれる前から、一環して非対面で無形商材を営業してましたが、
2018年12月からマネーフォワードへ入社し、いわゆるTheModel型のインサイドセールスとして、活動を開始しました。

そこでは、典型的なSDR業務を担い、マーケティングチームが獲得しMAでナーチャリングするリードに対して、インサイドセールスがフォローを実施し、商談を創出するという業務を行ってきました。
これまでのキャリアでは経験が少ないことへのチャレンジであり、とても充実した3年間を過ごしました。

話の始まり


マネーフォワードへ入社し3年が経ち、改めて「自分が最大限貢献できる環境」は何か?と考えてみました。
その結果、他部門での新しい挑戦に立候補する社内の「チャレンジシステム」へ応募し、幸運にも採用していただくことができ、2022年3月から昨年マネーフォワードにジョインしたグループ会社であるHiTTO株式会社へ、一人目インサイドセールスとして参画しました。

3年間インサイドセールスとして活動してきた経験も活かしつつ、
自身のコンフォートゾーンを抜け出しながら、最初の3ヶ月間で何をやったのか、振り返りをしてみます。

本文に入る前にHiTTOのご紹介

HiTTOとは?

HiTTOとは

社内DX(BtoE)に特化した、AIチャットボット
事前に学習データをインプットした「共通AI」を搭載しているのが特徴(業界唯一)

画像

素敵な紹介動画もありますのでご覧下さい -> こちら

個人的に、HiTTOのキャラクター(ブレイニー)が可愛らしくてとても好きです

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サマリ

1ヶ月目:土台の土台作り

  1. 何はともあれ、検討フェーズの定義決め
  2. 保有しているコンテンツ(資料やブログなど)の整理
  3. 1日50アクションできる環境づくり
  4. 製品理解、顧客理解

2ヶ月目:インサイドセールスとして、今求められている動き方を模索

  1. Pardotの活用(序章)
  2. 興味ある人をトスアップしてるのに…..
  3. プチ合宿で救われた
  4. 行動経済学 の 応用

3ヶ月目:Salesforce × Pardot で、HOTリードをリアルタイムで把握できるようにした

  1. そうだ、Pardotを使おう
  2. ようやく、ナーチャプログラムの土台ができた

本題

ここからは、実際にどういうことをやったのかを解説します。

1ヶ月目:「土台の土台作り」

1) 何はともあれ、検討フェーズの定義決め

インサイドセールスは、(お客様の購買意欲を)ナーチャリングするのが仕事です。
なので、お客様の検討フェーズごとに適切なコンテンツをお渡しして、「役に立つ人間」と思ってもらうのがとても大事。
よって、まず初めにやることは「検討フェーズ」の定義決め。

今回は、Salesforceの営業が常に意識する“4つの不”〜不信・不要・不適・不急〜をベースにしてフェーズを決めました。

2) 保しているコンテンツ(資料やブログなど)の整理

普段HiTTO社の営業が使っている資料以外にも、過去のHiTTO社のブログ記事や公式note記事などあらゆるものをコンテンツとして整理し、その数は50にもなりました。

色々な整理の仕方を行った結果、↓こんな感じで4つの「不」で整理したらやりやすかったので、今はこちらを使ってます。

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資料やブログなどのコンテンツを4つの「不」で整理

このような整理をすると、50あるコンテンツの中でも、「今必要なコンテンツ」がない、ということにも気づけてそれを作りにいけるのでとても良いです。

3) 1日50アクションできる環境づくり

続いて、ISが効率的にフォローできる環境を作ります。
前提として、元々HiTTO社ではSalesforceを使っていたので、そのままSalesforceの利用となります。

ナーチャリングリストの管理は、SalesforceのToDoではなく、リードに以下のオブジェクトを追加するやり方にしています。

  • IS評価 : A,B,C,ISフォロー終了
  •  IS評価理由
  •  次回アクション日
  •  次回アクション内容

※SalesforceのToDoは、「割り当て先」を本人以外が修正できない仕様になっているのが、個人的には運用破綻を起こしやすいと思っています。

本当に立ち上げなので、電話システムもゼロだったのですが、以前所属していた部署でも使っていたMiitelの導入に決めました。
Salesforceも初めてシステム権限を手にし、MiitelとのAPI連携も自分で行いました。
Miitelの「応対メモ」設定は、これまでの経験を活かし、今後加わるメンバーが参考になる会話データを探しやすいように以下にしました。

【結果】
└本人到達
└フェースアップ
└アポ獲得
└ニーズ不一致
└イチオシの電話

【架電前_顧客フェーズ】
└架電前_フェーズ1
└架電前_フェーズ2
└架電前_フェーズ3
└架電前_フェーズ4

【架電後_顧客フェーズ】
└架電前_フェーズ1
└架電前_フェーズ2
└架電前_フェーズ3
└架電前_フェーズ4

例えば、「架電前_フェーズ2」->「架電前_フェーズ3」になった会話、という探し方が可能になります。

4) 製理解、顧客理解

立ち上げというと、まずはじめに「製品理解、顧客理解」を想像すると思いますが、実は「検討フェーズ決め」「コンテンツ整理」を先にやると、それは最低限の「製品理解、顧客理解」にもなるのでおすすめです。

そして、「 1日50アクションできる環境づくり」ができていると、実際にフォローする数も増えるので、「製品理解、顧客理解」を加速させられます。

2ヶ月目:インサイドセールスとして、今求められている動き方を模索

1) Pardotの活用(序章)

心強いことに、1人目マーケティング担当者もほぼ同時期にジョインいただきました。
しかし、1人目マーケティング担当者も、やることは山積みな状況。

ということで、HiTTO社が元々導入していた Pardotの活用も、少しずつ1人目インサイドセールスの私が行っていこうと考えました。

とは言え、PardotはおろかMA初体験でしたので、何となく機能は分かっていたものの、その機能を使いこなす術は持たず。。という状況。

どうにか、「csvファイルでリストをインポート」して「メールテンプレートを作成」して、送信する方法を理解し、以下をやり始めました。

  1. セミナー集客、セミナー終了後資料ご案内のメール
  2. 注力業界へ同業界の事例紹介メール
  3. 過去に資料請求があったリードへのメールマーケティング施策

上記の中でも、【3.過去に資料請求があったリードへのメールマーケティング施策】は、これまでやってきたインサイドセールスの業務から、一歩領域を広げられるチャレンジになりました。

  •  1週間程度の間に複数回pardotからメール送信
  •  開封=1point クリック=3point と計算

以下のようなお手製のリストを作って、上位者へ電話するやり方です。

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手製のリスト

Salesforceで「過去に資料請求があった人」を並べて、上から電話するのとは段違いに、通電率も高く会話も弾みました。

2) 興味ある人をトスアップしてるのに…..

HiTTOにご興味を持ってもらえた方をトスアップすることが、板についてきた2ヶ月目だったわけですが、トスアップした商談が前に進まない。
とにかく進んでくれない。

こんな課題がすぐに露呈し、「どうしたものか」と1週間くらい頭を抱えていました。

3) プチ合宿で救われた

そんな中、マーケ&インサイドセールス&フィールドセールスが集まり、「改めてHiTTOの営業戦略について共通認識を持とう!」というプチ合宿が行われました。

3時間、まさに膝を突き合わせたコミュニケーションは、コロナ禍で忘れかけていた感覚を取り戻すきっかけにもなりました。(もちろん全員マスク着用ですが)

そして、「目標」と「どのように達成するか」の道筋がたち、上手く行かないならどんどんやり方を変えていこう、ということも合意。

プチ合宿を経て、改めてインサイドセールスとしての役割を考え、以下のようなイメージを持つことができました。

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足りていない階段があるので、↓の青文字のようなコンテンツが必要ではないか、という議論もし始めました。

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その上で、インサイドセールス全体のフローチャートは以下のようにまとめました。

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インサイドセールス全体のフローチャート

3) 行動経済学 の 応用

受注率が高い初回商談を創出するために、階段を用意し1段ずつ登っていっていただくとしたものの、得てして人はPL思考(短期の成果を求める)に陥りやすく、時にはすこし強引に階段を登ってもらおうとしてしまいます。

しかし、そんなやり方をしても、お客様の体験も良くないし誰も得しないことになります。

そこを解決しに行く一つのヒントは「行動経済学」にあると考え、2022年のゴールデンウィークは「行動経済学」の学習に費やすこととなりました。

結果、「行動経済学 × 4つの不」に落とし込み、1ヶ月目に作成したコンテンツまとめシートを魔改造。

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1ヶ月目に作成したコンテンツシートを魔改造

※縦列が行動経済学の知見で、トグルを開くとコンテンツ一覧が出てくる仕組み。

例えば

「不信の突破」を目指したい時に、行動経済学的には「第三者レコメンド」が有効なことが多く、
「不要の突破」を目指したい時に、行動経済学的には「リスク想起」が有効なことが多い

そのような考えに基づき、適切なコンテンツ(情報)をお渡ししていくことで、ナーチャリングを成立させます。

3ヶ月目:Salesforce × Pardot で、HOTリードをリアルタイムで把握できるようにした

1) そうだ、Pardotを使おう

プチ合宿後、行動経済学を活用した無理のないナーチャリングの方法が見えてきたところで、ムクムクと「そうだ、Pardotを使おう」という気持ちが立ち上がってきました。

1ヶ月目、2ヶ月目で考えてきたことを最大限効率的に実施するとなると、人力よりもMAの力を借りるのが最適解と思ったわけです。

  •  営業の匂いを消した、週次のメルマガ
  •  一定以上課題がフィットしそうなMQLへ、適切なメールマーケティング

Pardotの具体的な操作方法は分からないが、これらをやってみようとそう思い立ち、Pardotの操作に関しての学習を進めました
絶対に抑えるべきは、「届けたい宛先を間違えないこと」と「絶対送っちゃいけない人を配信除外する」こと。
学習していくと、Pardotの「ダイナミックリスト」機能にたどり着きました。

  •  Salesforceで「ISフォロー終了」にしている人をタイムリーにPardotに連携させて、配信対象外にする
  •  Salesforceで「評価C」にしている人をタイムリーにPardotに連携させて、メールマーケティングを送信する

こういったことが可能になる機能です。
この「ダイナミックリスト」機能を上手く活用できるようになったことで、ナーチャリング手法の自由度が非常に上がりました。

2) ようやく、ナーチャプログラムの土台ができた

そうして、Pardotの有効活用が始まりましたが、返信が来ることなんて滅多にないことなので、メール送信後のリアクションが知りたい意欲が高まり、Salesforce上で以下のようなレポートを作成しました。
(グラフの上ほど、ニーズが顕在化している可能性が高まっているということですね)

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そして、特にHOTな動きがあった場合、Slackへ通知する環境も整えました。。

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1人目インサイドセールスが3ヶ月で到達したのは、以上となります。

今回書ききれなかったですが、「Salesforce × Pardotの具体的な扱い方」や「行動経済学 × 4つ不の話」、「社内実態調査アンケートサービスの企画と開発ストーリー」等まだまだお伝えしたいことがあります。
ぜひ、続編もご期待ください。

ということで、今はインサイドセールスを手伝ってくれる方が必要です

仕組み化の基礎はできましたが、まだまだブラッシュアップは必要ですし、HOTなリードへの最適な提案を漏れなくチームで行うことが必要なフェーズに入りました。

まだまだ世間的には、「インサイドセールス=テレアポ」という印象が抜け切らないですが、インサイドセールスの重要性は増すばかりです。

特に、既にできあがっている市場ではなく、HiTTOのように、新しい市場を作る、最前線で新しい価値を世の中に訴求することは大きなやりがいもありますし、何よりとても難しい!笑

自分でいうのもおこがましい気もしますが、HiTTOのインサイドセールスには「本当の意味でのインサイドセールスがある」と胸を張って言えます。

このような環境でインサイドセールスとして働くことは、個人の成長にも繋がり、確実に今後のキャリアにポジティブな影響を与えると考えています。

「一緒に働きたい」とまでは思わなくても「ここに書いてあること、もっと詳しく教えてよ」でも全然良いので、お気軽にお声掛け下さい!

また、Twitter( @t_twio )でDMをいただければもっと詳しくお伝えしますので、ご連絡ください。

続編書きました!

(提供:著者「木村つかさ」のnote

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