こんにちは、LayerXのMJです。
新年からNetflixでIWGP(池袋ウエストゲートパーク)が配信開始されましたね。
青春ど真ん中世代の私、懐かしくてイッキ見してしまいました。
主人公のマコトは“めんどくせぇ”と言いながらもちゃんと行動してるところにとても好感を持てます。
さて、今回はSaaS事業に入社される方が初期配属されることの多いインサイドセールス(以降IS)について、そのあり方や活動内容の魅力をお伝えしたいと思います。
本投稿を皮切りに、ISの魅力を様々な角度からお伝えしてまいりますので、そちらもお楽しみに!
この投稿では”育成機関としてのIS”に関する内容が主テーマとなっています。次の方を想像しながら記載しました。
こんな人に読んで欲しい
・ISで入社したばかりの未経験の方
・ISから他部門へ転向しようと考えている方
・他部門からISへ転向しようと考えている方(ぜひ!)
・新卒・中途に限らず他業種からの採用を担当されている人事部門の方
・IS部門のマネジメント職の方
今回は思いっきりISに振り切った内容です
この記事の著者
IS、他部門のための育成機関になりがち
ビジネスサイドの入社をする場合、過去に近しい業界での経験がない限り、「まずはISとして経験を積んで欲しい」と言われることが多いのではないでしょうか?
私が初めてSaaSの会社(第二新卒としてクラウド名刺管理サービス)に入社した時も、最初の1ヶ月だけISとして活動する様に言われました。転職前はマーケティング(以降MK)を主務としていたため、新しい挑戦です!
本当は『は?電話?』と思っていました。
サブスク型のサービスが一般的でなかった当時、入社直後の私は何もわからないまま数百件の見込み顧客リストを渡されました。
毎日100件架電。
私より前に入社したメンバーが半年で5周は架電したリストに(多分)。
きつかったなぁ。
一方で、初めてアポイントを獲得した際に社内でドラを叩き、みんなに褒めてもらえたことも嬉しい思い出として強く残っています。
(その後2、3ヶ月営業職を経験し、MKとして活動することとなりました)
そもそもISってなんなのさ
IS活動の捉え方は、会社によって様々でしょう。正解があるわけではないと思いますが、当社では次の様に考えています。
“さまざまな顧客特性を見抜き、見込顧客との対話を経て、最適なタイミングで最高のパスを送る”
パスを送る先はフィールドセールス(以降FS)だけではありません。
ISは日常業務の中でたくさんのお客様と会話します。結果的に商談に結びつかなかったとしても、MK施策や製品機能、価格など様々なポイントでフィードバックをいただくことができます。このフィードバックを各担当者に繋ぐこともISの本来的な価値だと考えています。
もちろん、商談の取得数は目標の大部分ではあるのですが、それだけではないのです。
THE・育成機関
確かにSaaS未経験者向けのオンボーディングとして有効であることも否定できません。これに関して言いたいことはたくさんあります。
が、今回は“育成機関としてのIS”(本稿の主題)について、次の4点に言及したいと思います。
1. 超短期的に実績を作れるので、褒めやすい/褒められやすい
1本の電話、1通のメールで成果を出すことができます。5分で成果が出る、というのは他の部門にはないISならではの特徴です。
運が良ければ入社初日から実績を出すことができるかもしれません。オンボーディングプロセスをしっかり実施すれば、2週間〜1ヶ月程度で一定の成果を出せる様になるのではないでしょうか。
実績ができると、既存メンバーが褒めやすい/新入社員は褒められやすくなります。特に新入社員の心理的安全性を担保しやすく、これは非常に良い点です。実績を積み重ねることで本人の自信になり、既存メンバーの良い刺激にもなります。
新入社員の成功は喧伝レベルで周知しましょう!
当社では全社を上げてお祝いします。
2. 顧客理解が進みやすい
日々たくさんの見込み顧客と触れあうISは、顧客の声を聞きやすいという業務的な特徴があります。
最近拝読した馬田隆明さん“解像度を上げる”の中でも“深さ”と“広さ”についての説明がありましたが、これはまさにISの得意領域だと感じました。
(もちろん、構造・時間も不可欠です)
お客様の環境や課題感を様々な角度から深掘りすると、生の声を鮮明にお聞かせいただけます。お客様ご自身もお気づきになられていなかった課題を会話の中で共に発見することもあり、それらを血肉として成長できることはいうまでもありません。これが“深さ”に当たります。
また、多業種・多企業のお客様と接する機会を頂戴することで、“広さ”が広がります。生の事例を毎月数百とお聞かせいただくので、自然と引き出しが増えていきます。
“深さ”と“広さ”を日々の業務で強化することで、さらに実績を作れる様になります。この経験は、他部門でも如何なく発揮されるでしょう。
3. PDCAを回しやすい
ISはお客様へのアプローチ(電話、メール)が活動の大きな部分を占めることになります。1日に数十回もアプローチするのですが、これは毎日数十回の振り返りの機会があるとも捉えられます。こんなに振り返れる業務、なかなかないと思います。
細かな改善をするクセをつけ個人の成長を促進するIS業務は、確かに育成機関としてちょうど良い様に見えます。
4. 他部門連携が必須
ISは基本的にそれで完結する業務はありません。提案機会を獲得した場合はFSと連携が必要ですし、製品や広告へのフィードバックを頂戴した際は、既述の通り社内の各部門と連携していきます。
これ、社内に顔を覚えてもらいやすいんです。
貴重な生の声をもたらしてくれるISの存在は、他部門から見ても稀有な存在でしょう。
また、他部門と連携をする中で、彼らの動きをなんとなく知ることができます。初期配属はISだけどゆくゆくは○○に、なんて方を育成目的でISに置いておくのは、わりと有効かもしれません。
茂野明彦さんも著書『インサイドセールス』の中で“MKやFSにキャリア転換しやす”いとおっしゃっています。
ちょっと長くなってきたのでまとめ
本稿はここまで。以下、まとめです。
結論、未経験者をインサイドセールスへ初期配属することは、育成観点で有効でしょう。
1. 短期的な成果を上げやすく、配属されたメンバーの心理的安全性を上げやすい
2. 数多くの事例に自然と触れるので、顧客理解を進めやすく解像度の深さと広さも上がる
3. PDCAを高回転で回しやすく、自己成長の機会で溢れている
4. 業務上不可欠な他部門との連携を通して、社内でのキャリア像を掴みやすい
これはもう、ISやるっきゃないですね!
ISが育成機関になりやすいのは、電話なら誰でもできるからじゃないんですね。
『は?電話?』などと思っていた私も、これを知っていれば意欲的・効率的に解像度を上げることができたかもしれません。
本稿に続き次回は“育成がゴールじゃないISの魅力”について触れたいと思います。本当に伝えたいのはこちらです。
お楽しみに!
(提供:著者「MJ_LayerX」のnote)